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2007年4月18日 (水)

止まらない

母が言う。
”隣の保育園に遊びに行ってみたら?”って。
資格は持ってないから、働くのは無理だとしても、
ボランティアって言うか、手伝いって言うか、
お金がもらえなくても良いから、って行ってみれば?って。
勿論、実際にそんなことできるかどうか分からないし、
多分、母は、そんな現実的なことは考えてないだろう。
”『焼き餅っ子』って知らない?
養子をもらったりすると、すぐに子供ができたりするでしょ。
だから、他人の子供を可愛がると、子供が出きるかも知れないよ”と。
それが、”保育園に遊びに行け”に繋がるわけ。

”それとね、ハッカの煙草は良くないって言うよ。
○ちゃん(夫)、ずっとハッカの煙草吸ってるでしょ”と。
”そんなこと、随分前から知ってるよ。
もっと言えば、パソコンに向かう仕事だって良くないんだよ”、と返す。
”そっか”と母が答える。
挙げ句の果てに、”正露丸は良くないらしいよ。精子がなくなるって”と。
そんな情報、どこで仕入れてくるんだか・・・。

色んなことを聞きかじってくる。
でも、ワタシは今、そんな段階には立ってないのよ。
そんな表面的というか、都市伝説のような俗っぽい話を聞いた後で、
卵膜の硬化とか、凍結卵とか、受精とか分割とか移植とか、
専門用語を沢山並べてまくし立てると、
ようやく、自分の娘が今立っているフィールドが、
自分が思っているレベルとズレていることを認識してくれる。
母が思うようなことは全てやった上で、それでもできないから、
高度なフィールドに進んでるんだ、ってことに。
それで一応、妊娠できたんだ、ってことに。

実家の近くに住んでるワタシの同級生も長年子供ができなくて、
最近やっとできたと、彼女の母親から聞いたという。
”○ちゃん(ワタシ)はまだできないの?”と。
”そう、まだできないの”と答えたという母に、
”できないんじゃないよ。産めなかっただけ。しかも2回も。
高度不妊治療の世界じゃ雲泥の差だから、これからは、
『できるんだけど産めない』って言って”と大人げなく反論すると、
”そうだね”と母は答えた。

”お墓参りにも行ってるよ。
○○家(夫の実家)のお墓と水子供養した観音様には”と言うと、
”供養したんだ?”と母。
”流石に2回目だから。いつでも行けるように近場にしたんだ。
塔婆も建てて読経してもらって、お札ももらってきた。
家でも、毎朝お茶をあげて手を合わせてるよ”と説明した。
”そっちのお墓参りにはなかなか行けないけど”と。
母も流産を経験してる。兄とワタシの間にひとり。
特別供養はしなかったって聞いたことがある。
それでも、毎朝お線香とお茶をあげている。
仏壇があるわけじゃないんだけど、”気持ちが大切だから”って。
ワタシもそう思うし、実家にいるときは毎朝そうしていた。
今でも帰省すると、毎朝のお茶とお線香は欠かさない。

電話を切った後、ちょっと思う。
ワタシは今、日本でも屈指の技術に体を晒して治療を続けてる。
いわば、化学的・技術的に妊娠することを目指してる。
そして実際妊娠もした。
そんな今だからこそ、”焼き餅っ子”的な、
俗っぽい、言い伝えっぽいことをするのも、有意義なのかな?って。
不妊治療を止めたら妊娠した、って話は良く聞く。
あながち根拠のない話ではないと思う。
不妊治療自体がストレスになってることも否めない。薬漬けだし。
良いと言われることには何にでも飛びつく、って姿勢は、
基本的にワタシは好きじゃないんだけど、
広く視野を広げて、色んな角度から”今”を見ることも大切なのかも。

ちょっと言い過ぎちゃったかな。
まぁでも、半分は聞いてないんだけどね。母の性格上。
適当に相づちを打って、電話の向こうでパソコンのゲームをしてる。
そんなの、時々聞こえる効果音で分かってるんだから。
まったく。(苦笑)

70を過ぎた母。同居してる兄は出戻り。
娘が2人いるんだけど、離婚したとき母親に引き取られた。
その母親も、一昨年突然亡くなった。38歳の若さで。
一時は、子供を返して来るんじゃないか?って言ってたんだけど、
結局母親の実家で面倒を見てるらしい。
兄が再婚する気配はない。
そんな中、家を出ているとは言え、娘の動向は気になるだろう。
特に同じ女として、子供ができる・できないの問題は大きいと思う。

心配してくれるのは有り難いんだけど、
ワタシもね、ボーっと時間を過ごしてるわけじゃないから。
できることは一生懸命努力してるつもりだし、
寧ろ、悩んで落ち込んで泣いてることの方が多いんだから。
一緒に住んでないから分からないと思うけど、
一緒に住んでなくて良かったかな?、とも思う。
余計な心配かけたくないし。

”できなきゃできないで仕方ないと思ってる”と言うと、
決まって母は、”そうだよね。ふたりでも良いじゃない。
お前達は楽しそうだし”と返してくる。
それが本心じゃないことも分かってる。
でも、他に言いようがないことも分かってる。
ごめんね、ママ。いつまでも心配かけちゃって。

お灸とウォーキングは無理なく続けてる。
む~馬にも毎日乗ってる。
冷える夜には湯たんぽを抱えて寝てる。
今はただ、止まってしまわないように、って、それだけ思ってる。
止まってしまったら何も起こらない。何も掴めないから。

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コメント

らうさん、こちらこそありがとう~

いろんなこと考えますよね。
ホント、時間があればいくらでも
考えられちゃう…
考えることがストレスになるって
わかっていても考えちゃう…
こんなに悩んだりすることって一生のうち
そうそうないかなぁ~って、思います。

涙は翌日の夜、寝るときに真っ暗な天井
見ながら出ましたヨ!
涙腺、つまっていなかった模様です(^^;
なにが哀しいのかわからないんだけど、
亡くなった父のこともあるし、今回のことも
あるし…思い出せば思い出すほど、考えれば
考えるほど涙が溢れます~

いつもどおりでリセットしました。
そういえば今周期お休みって
理由聞かなかったなぁ~って昨日気づいて…
週末行ったら聞いてみよう!
次周期は胚盤胞までって言ってみようかな!
そして新橋のことも聞いてみようかな!
今周期は、らうさんにならって自己タイミング
してみようかな~

らうさん、お互いにマイペースで行きましょうね!!!

投稿: on | 2007年4月19日 (木) 11:01

今日、鍼の先生に言われました。
”女性は生理があるから、どうしてもそれに引っ張られちゃうね”って。
折角それまでに、一生懸命状態を整えても、
生理になると、どうしても不安定になったり、
バランスが崩れたりしちゃうそうです。
その分、男性より揺り戻しがあるので、
根気よくじっくり治療する必要があるんだそうです。
なるほどー、と思いました。
確かに生理の時って気分が落ち込むし、不安定になるなー、って。

資金の問題がネックになって、
今後の方針を考え直さなければならなくなりそうです。
子供だけじゃなく、人生そのものについても。
子供を諦める、って選択肢も考えなきゃいけないのかなーって思ったら、
流石に切なくなってしまいました。
夫の、”それが分相応なら仕方ない”と言う言葉が、
頭では理解できても、胸に突き刺さるようでした。
気持ちはやる気一杯なのに、お金が無くて断念するなんて・・・。

でも今は、それはそれとして冷静に受け止めています。
基本は、夫婦の生活ありきだし、不妊治療だけじゃなく、
無理に背伸びした生活を続けていても幸せじゃないし。
色んな意味で、分かれ道にさしかかったようです。

投稿: らう | 2007年4月20日 (金) 15:33

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