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2007年1月24日 (水)

女を捨てる

”その人も『女を捨てたくない』って思ってる人なんだけど”
と彼女は言った。
女を捨てたくない。その言葉に違和感を感じた。

彼女がたまに飲むと言う職場の女性。50歳前後で既婚者だという。
その人と飲みに行って、前の席に男女のカップルが座ったとき、
”あれが男同士だったら、間違いなく声かけてる”と言ったらしい。
それに対して彼女が、”女を捨ててない”と言う表現を使った。
それがなんだか、とっても違和感があった。

多分、不妊治療を再開する前なら、ワタシも同調したと思う。
女を捨てない=男を求める、ってことに。
でもね、と思った。
不妊治療をしてると、女を意識せざるを得ない。
基本的に、女としての体の周期で治療が行われるから。
生理が来た、排卵日が近い、卵ができた、採卵した、等々、
その全ての行為が、”女”であるが故の周期で回っていく。
更にはそれをお腹に戻し、新しい命を宿すわけだから、
それはもう、”女の特権”以外の何物でもない。
前にも書いたけど、ワタシ達夫婦はセックスレス。
それでもワタシは、日々、女を感じずにいられない。
男性を求めることが、外見を着飾ることが、
”女を捨てない”ことだと考えてる人が大半だと思うけど、
妊娠・出産に勝るものはないと、ワタシは思っている。

”お腹に命が宿るって、どんな感じなんだろう”と彼女に聞かれて、
”そりゃもう、例えようがないほど素晴らしいことよ。
人生観も世界観も、全部変わる”と答えた。
自分のやったこと、自分の食べたもの、自分で飲んだもの、
その全ての影響が、例外なく伝わってしまう。
生かすも殺すも自分次第、みたいな存在がお腹の中にいる。
その経験に勝るものが、この世の中にあるはずない。

”春頃まで頑張ってみて、それでできなかったら治療しようかって
話になってるんだ”と彼女は言った。
彼女は30代半ば、旦那さんは、今年40の大台に乗る。
そろそろ、と思っているらしい。ワタシに言わせれば遅いけど。
旦那さんに不満があって不倫をしている彼女。
子供を作ることに、いささか消極的なのはそのせいだと思う。
ワタシは言った。
”女として産まれてきたんだから、子供を宿す経験はした方が良い。
ただ、現状で、取りあえず子供を作ってしまったら、
きっと後悔することになる。
旦那さんとは別れられても、子供の父親はずっと旦那さん。
そう言うこともちゃんと考えて、子供を作った方が良いよ”と。
”そうだよね”と彼女は言った。

不倫相手の彼には、3歳くらいの男の子がいるらしい。
”今、『2人目ができた』って言われたら、かなり凹むかも”と彼女。
そりゃ、結婚してるし、仲良いって聞いてるから、
子供が出きるのは当然のことだと思うけど、って。
ワタシにも思い当たる節があった。
彼に2人目が産まれると、仕事中、突然耳に飛び込んできたとき、
全身の血の気が引いて、頭が痺れ、
完全に体が硬直して、物凄いショックに襲われたのを覚えてる。
なので、”それ、分かる。ワタシもかなり凹んだよー”と答えた。

彼とは、いわゆる男女の関係はなかった。
それどころか、職場以外で会ったことはないし、
プライベートな会話も皆無だった。
ただ、そこに勤め始めた日、一目惚れしてしまっただけで・・・。
仕事に行く原動力だったけど、悩みもしたし、落ち込みもした。
彼の一挙手一投足に振り回される日々だったことは否めない。
まるで自分が中学生に戻ったような、片思いの日々だった。

・・・なんてことは、さておいて、女って捨てられるんだろうか。
元々、男に産まれたかったと思い続けてるワタシは、時々、
捨てられるものなら捨ててしまいたい、と思うことがある。
”女じゃなかったら、こんなに辛い思いしないのに!”
って思ったりすることがある。
男との関係性だけで女であることを計るのって、
なんだかちょっと虚しくないか?と思った瞬間だった。

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