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2006年12月14日 (木)

その日①

10時過ぎに家を出た。
クリニックの後、すぐに転院先の病院へ行こうと決めていた。
ネットで調べると、その病院は、妊娠確定後の転院の場合、
まずは直接総合受付で初診予約をする必要があるとのこと。
体調的に不安もあったので、すぐに転院したかった。
なので、取り敢えず初診の予約を取り付けるつもりだった。

その病院は、春に子宮ガン検診に行った病院。
仕事仲間に色々評判を聞いて行ってみたんだけど、
印象がとても良かった。
で、なんとなく、出産するならここが良いかなーって思った。
その時はまだ、不妊治療を再開してなかったけど。

10時半頃クリニック到着。230番台半ば。余り混んでない。
10分もしないで8Fに降りるも、内診までは1時間くらいかかった。
卒業の日は院長先生が診てくれると聞いていた。
初診のとき以来か。
3つある内診室のうち、前の2つは初診の人のようだった。
”じゃ、見ますよー”の声と共にプローブが入った。
すぐに、”あれ?”と声を発する院長先生。
一瞬背筋が凍った。何かあったことはすぐに分かった。
”あー、折角今日、卒業に来たのにねー。
赤ちゃんの心臓、止まっちゃってるよ”と院長先生は続けた。
モニターに映し出された映像を見て、異変はワタシにも分かった。
大小2つのリングがあり、大きなリングの中に赤ちゃんがいて、
それはまるで浮かんでいるようだった。

院長先生は優しい声で続けた。
”これ、これね、卵黄嚢。これが肥大化してるのね。
ってことは、赤ちゃんが育ってないってことなの。
一応大きさを測ってみるけど、ほら、16.9mm。
殆ど大きくなってないよね。
そうだなー、3、4日前には止まっちゃってるかなー。
羊水は充分な量だし、胎児側の問題だと思うよ。残念だけど”と。
なんとなく、不安にさせないために言ってくれた気がした。
”胎児側の問題”と。

突然、”どうする?”と聞かれた。
何?何をどうする?何がどうする?
戸惑って、思わず”え?”と小さな声を出すと、
”このまま持って帰っても不安なだけだし、
帰ってご主人と相談しても復活することはないから、
このまま処理を進めたいけど、どうする?”と。
頭の中は真っ白だった。でも、不思議と涙が出てこなかった。
今思うと、なんとなく予感がしていた気がする。
前の週の検診の後、常に下腹部がシクシクしていた。
時々少量の出血や茶オリ、お腹の張りもあった。
前回流産したときと似てる気がした。
なので、ずっとゴロゴロと、殆ど寝て過ごしていた。

院長先生の、優しく丁寧な説明と、
リングの中に浮かんでいるような赤ちゃんを見て納得した。
悪戯に決断を延ばしても仕方ないような気がしてきた。
素人のワタシが見ても、明らかに様子はおかしかったし。

”分かりました。お願いします”と返事をすると、
”じゃ、処置に入りますね”と、違う先生を呼んだ。
声の感じからして、若い先生のようだった。
”もう一度エコーで確認してみて”と言い残して交代すると、
院長先生は診察室に戻って行った。

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